AKB48メンバーが出演する“怪談”をテーマにした映画『未成仏百物語〜AKB48 異界への灯火寺〜』に出演するグループ在籍11年目の武藤十夢、9年目の込山榛香、8年目の小栗有以。在籍期間が異なる世代別の中心メンバー3人に、グループの現在地と未来への思いを聞いた。


【写真】「今のAKB48のメンバーは私たち!」グループを牽引する武藤十夢・込山榛香・小栗有以

■三者三様で挑んだヒロイン役 撮影の舞台裏と手応え

――映画のテーマは身近な怪談話。劇中では、メンバーごとの再現ドラマや事故物件の専門家・大島てるさんとの対談、心霊スポット巡りを受けて、出演メンバー全員がそれぞれのエピソードを話す座談会を静岡県・長光寺で行っていましたが、撮影現場の空気はいかがでしたか?

武藤:(他のメンバーを見ながら)めちゃくちゃ寒くなかった?

込山:春なのに寒過ぎました。0時からの撮影だったので…。しかも、山奥でしたよね。寒いので「ヒートテックを用意してきてください」と言われたのですが、衣装がまさかの半袖で(笑)。

小栗:真夜中の雰囲気も怪談話も、どちらも怖かったです。

――武藤さん、込山さん、小栗さんはそれぞれ怪談話のヒロインを演じていましたが撮影の手応えはいかがですか?

武藤:以前、AKB48のホラードラマ『AKBホラーナイト アドレナリンの夜』(テレビ朝日)で主演を経験させていただきましたが、当時は、まさかの自分が“お化け”というオチだったので(笑)。今回はビルの警備員として恐怖体験をするという王道の設定が、自分にとっては新鮮でした。撮影に向けてホラー映画を見て恐怖の演技を勉強しようと思ったものの、見られなくて…。両手で目を隠しながら見たのでほぼためにならなかったけど、かえってその怖さを持ったまま本番へ挑めた気もします。

込山:私は自分の作品ですら1人で見るのが怖くて、お母さんとお姉ちゃんに「一緒に見て」とお願いしました。演じたのは、大学入学と共に引っ越した先で怖い体験をする女の子の役柄で。メイクや表情もできるだけ自然にと意識していたら、家族からは意外な反応もありました。日頃はアイドルとして、どれだけかわいく見えるかを意識しているけど、映画ではむしろナチュラルメイクにしていたんです。そうしたら、お母さんやお姉ちゃんから「顔かわいくないけど大丈夫?」と言われて。自然体で演技に取り組めていた証拠だろうし、かわいくないと言われて初めて「うれしいな」と思えました(笑)。

小栗:私は一人暮らしの女の子の家にある日突然何かが訪ねてくる…というお話で。撮影現場では監督さんに相談しながら、怖がらせるのに欠かせない表情をとにかく研究していました。ホラー作品への出演経験(映画『劇場霊』のスピンオフドラマ『劇場霊からの招待状』)は一度だけありましたが、今回は主演としての新しい発見もあって。将来は女優さんにも興味があるので、以前とは違う表情や感情を出す自分に会えたのもうれしかったし、勉強にもなりました。

――三者三様で演技に臨んでいたんですね。ちなみに余談ながら、みなさんそもそも怖い話は得意でしたか?

武藤:私は…無理です! お化け屋敷もめちゃめちゃ無理! 修学旅行みたいにみんなでワイワイ話すのは面白半分で聞けるけど。今までAKB48のロケでも、お化け屋敷へ行くことがなくてよかったなと思ってたんです(笑)。

込山:私も無理です! 1人で眠れなくなっちゃうから。22歳ですが今もお母さんと愛犬と一緒に寝てるんですよ。怖い話を聞いたら「ちょっとお風呂の前に立ってて」みたいにお願いします(笑)。

小栗:私は怖いけど興味はあります。お化け屋敷も、同じチーム8メンバーの小田えりなちゃんと吉川七瀬ちゃんと一緒に入ったことがあるんですけど2人とも怖いから走って先に行ってしまって、置いていかれちゃったことがありました。

武藤:え〜、薄情者(笑)。

■AKB48が変幻自在な活動ができるのは歴史とファンとの信頼関係があるから

――最近では7月からスタートした冠バラエティ番組『乃木坂に、越されました 〜AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!〜』(テレビ東京/毎週火曜25時35分)も自虐的なタイトルで話題に。12月にグループ結成16周年も控える今、自分たちの現状をどう見ていますか?

武藤:コロナ以降、アイドル界が大きく変わったと思います。特に私たちAKB48は“会いに行けるアイドル”で、握手会や劇場公演ができなくなったのは、本当に大きな変化です。だから、もっとみなさんに楽しんでもらえるきっかけや場所を、作っていかなければと感じています。卒業したメンバーもたくさんいて、これからどうしようって、メンバーも思っているのが現状だと思うので、今のAKB48のメンバーは「私たちなんだぞ!」と、強い気持ちを持って変化し続けながら、頑張っていけたらなと思います。

込山: AKB48は本当に自由なグループです。他のグループだと担当カラーが決まっていたり、髪型も決まっていたりとか、SNSも個人でなくグループでという方が多いと思うんですけど、AKB48は個人で全部、好きにやらせていただいています。あと、『乃木坂に、越されました』では、MCのひろゆきさんにメンバーが「ここまで言われるんだ」というくらい論破される内容も自由ですし、毎回、放送後にファンのみなさんがSNS上でメンバーやスタッフさんに“ダメ出し”してくださって、その意見を元に、私たちも勉強して学んで変わろうとしているんです。

私たちが変幻自在でいられるのは、先輩方や現役メンバーが築いてきた16年目の歴史と、その間に作られたファンの方々との信頼関係があるからだと思っています。これからどう、自分たちが変化するかも自分たち自身で選べるので、楽しみだなって思います。

小栗:番組のタイトルは衝撃的でしたけど、乃木坂46さんに限らず、他のグループにもAKB48にもいいところはあるので比較したくないと思っています。十夢さんやこみはる(込山)さんが言ってくれたように、私たちは私たちらしく。もがきながらも全力で、今のAKB48を知ってもらえるよう頑張っていきたい気持ちです。

■今のメンバーで大舞台・東京ドームのステージに立ちたい

――武藤さんは2011年加入で活動11年目。オーディション合格後に加入した当時と、現状のAKB48を比べて感じる違いは?

武藤:私が入ったのは、前田敦子さんや大島優子さんたちがまだいらっしゃった時期で。初めて参加したコンサートが西武ドームでしたし、そこからさいたまスーパーアリーナを経て、東京ドームまでの流れを経験したのも覚えています。あの頃はメンバーみんなが「東京ドームでのライブを実現する」という目標に向かっていたし、みんなで一緒にその景色を見ようという空気が流れていて。でも、今いるメンバーの中には、東京ドームに立ったことのないメンバーもいますから、その子たちと一緒に、もう一度あの大舞台へ立ちたいと思っています。

――込山さんは2013年の加入でしたね。

込山:そうですね。私が一番の差を感じているのはネットの環境です。加入した当時と比べて、SNSがより浸透した今は、芸能活動をされていない方でもみんながアイドルに、みんなが有名人になれる時代になったなと感じています。そんななかで、私たちもいろいろなSNSでメンバー個々が自由に発信しているので、アイドルとしてのスタンスはそのまま、ネットもうまく使いながら活動していきたいです。

――小栗さんは2014年加入。その当時と現状のグループの違いを何か感じていますか?

小栗:偉大な先輩方が卒業されていく姿も見てきましたし、十夢さんが10年以上もいらっしゃると聞いて、やっぱりすごい先輩だなって。

武藤:加入してから1〜2年間はAKB48内で所属するチームKで一番の後輩だったのに、気が付いたら一番上になっていたし。先日も峯岸(みなみ)さんの卒業公演でOGの先輩方に「今、一番上なんですよ」と言ったら、みなさんビックリしていましたね。

小栗:それほど世代交代もすごくて。後輩だった私たちもどんどん経験を重ねてきているし、先輩たちに学んだことやフォローしていただいたことを、教えていきたいです。私も8年目になり、AKB48を支えたい気持ちが強くなってきましたし、先輩らしく振る舞っていきたいと思っています。

――9月29日には、前作から約1年半ぶりとなる58thシングル「根も葉もRumor」もリリース。さまざまな変化もありながら、歴史あるグループの一員として今後どう貢献していきたいか。最後に、1人ずつ聞かせてください。

武藤:グループ内ではなかなかの先輩になってきたので、みんなに頼もしい背中を見せられるように頑張りたいです。次のシングルもみんな気合いが入っているし、ダンスをひたすら頑張れた気持ちがあって。個人としても、気象予報士とファイナンシャル・プランナー2級の資格を持っているので、“お天気と経済に強いアイドル”としても存在感を出せるよう頑張ります。

込山:チームKのキャプテンになって4年目になりました。最初は泣いてばかりでみんなに支えてもらっていたんです。今はメンバーやスタッフさんの意見をまとめなければいけない場面もあるけど、そんなときにはたかみな(初代グループ総監督・高橋みなみ)さんが残してくれた「キャプテンやリーダーは嫌われる勇気を持ちなさい」という言葉を思い出しています。十夢さんやゆいゆい(小栗)が王道のヒロインとして頑張ってくれているので、私はヒール役とまで言わないまでもメンバーを支える役割として頑張っていきたいです。個人的には今回演技が楽しいなと思ったので、もう何でもやります精神でチャレンジしてみたいです。

小栗:アイドルとしてまだまだ成長していきたい思いがあって。個人としても演技や他のジャンルにもどんどん挑戦していきたいし、それをきっかけにグループを知ってもらえるきっかけに繋げていければと思ってます。自分自身が大きな存在になれるよう努力しながら、グループに貢献していきたいです。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)

 映画『未成仏百物語〜AKB48 異界への灯火寺〜』は9月10日全国公開。

映画『未成仏百物語〜AKB48 異界への灯火寺〜』に出演する(左から)込山榛香、小栗有以、武藤十夢  クランクイン! 写真:ヨシダヤスシ


(出典 news.nicovideo.jp)